知覚の直接性の3つの意味: 意味論的、認識論的、因果的
1. 意味論的間接性
フレーゲの意義のような、対象と知覚の間に挟まるものがある
これに対比されるもの (意味論的な直接性) は、ラッセルのいう真の固有名のようなもの。つまり、ある対象を必ず指し示し、世界のあり方によって他のものを指すことはありえず、また「現在のフランスの国王」のような指示の失敗がありえないもの
だから幽霊を見るのは直接でない。(なぜなら幽霊は存在しないし、存在しないものが知覚対象に入るのは意味論的に直接ではないから)
また明けの明星を見たけど宵の明星を見ていないということがあるなら、その「見た」は直接ではない
仮面の男のパラドックス
もし何か世界の状態によって同じ知覚でも指すもの(外延)が異なるなら、その知覚は意味論的に間接的な内容を持っているかもしれない
2. 認識論的間接性
推論的であるか、非推論的であるか。
推論のように、知覚がそれとは別の表象によって正当化される
知覚の場合、別の知覚が後続の知覚を正当化する?
線の知覚→輪郭や色の知覚→顔・形の知覚
3. 因果的間接性
対象によって直接引き起こされるのではなく、対象がxを引き起こしxが表象を引き起こすようなxが存在する
これは (内省的知覚は除くかもしれないけど) おそらくほとんどの場合に成り立つ?
もし「xの知覚=x」が成り立つなら、(自己原因が無い限り) それは因果的に直接となるだろう
4. ?
Xを見ることでAを見たことになるようなA以外のXが存在するときAの知覚は間接的である
たとえば、X=(Aの表面)